この作品のテーマは、タイトルの通り「贈り物」。ライブやリリースイベントでお客さんと触れ合いながらふと、いつもファンの皆様に元気とか感動を貰ってばかりだなと考えたんです。自分からも周りの人に何かを贈りたくて、今回のアルバムを制作しました。普段ゲームのタイアップ曲を歌わせてもらうことが多いのですが、「Gift」ではオリジナル曲も多く収録されていて、ありのままの私も見てもらえると思います。
色んなジャンルの音楽や作品に関わることが多くて、お仕事を受ける内に自然と色んな面を引き出してもらっていた感覚があります。今回オリジナル曲をたくさん作ると決めてから、なにか1つテーマを決めて好きなようにやってみようと思ってました。 新曲は以前からお世話になっている3人の作曲家さんに「みなさんが思う“織田かおり”をプロデュースしてください」とお願いしました。初めにできたのは最後に収録している「Give it to you」という曲です。
撮影の時も、すごく気持ちが良かったですね! 初めて曲を聴いた時に、広々とした緑に囲まれた爽やかなテイストにしたいなと思ったんです。 今回の「Gift」初回限定盤には、「Give it to you」のPVはもちろん、レコーディング風景や撮影オフショットも収録してます。今まで、撮影オフショットを出したことはあったけど、歌を収録する場面を見せたことはありませんでした。完成された歌や言葉だけでは伝わらないものを届けられるんじゃないかな。
特に自分のバースデーライブの一週間後にレコーディングしたので、ダイレクトに想いが詰まっています。いつも作詞する時は、自分の想いをどう伝えたらいいか悩んだりちょっと照れくさくなっちゃったりで、時間がかかってしまうんです。今回は感謝の気持ちが冷めない内に書けたので、すんなり出来上がりました。
作曲のなるけみちこさんにプロデュースをお願いしたら、「かおちゃんに、若い男の子を叱ってほしいな!」と言われたんです。“もし織田かおりがキャリアウーマンだったら”っていう曲ですね。元々、姉御感が強いらしいので、それを前面に出すようにしました。年下の後輩くんを叱りつつエールを送る理想の上司のイメージです。
OLをやったことがないので、完全に想像ですね。キャラ設定からストーリーまで、妄想を膨らませちゃいました(笑)。この曲の主人公は、自分のスキルを活かした仕事をしていて、後輩に厳しいけど正しいことしか言わない。上司にも、間違ったことは間違ってるってハッキリ言えちゃう。強く何かを言った後は自分でちゃんとフォローできるからみんなから認められている。本当に“働く女子の理想”というか。 私と同世代って、人生の転機が訪れるタイミングというか。この曲の主人公は、仕事一筋のカッコイイ女性で考えてました。
普段からあまり妄想はしないんですけど、このアルバムを作る1年間、かなり妄想しまくっちゃいました。 「Stole my heart」も妄想を膨らませて歌いましたね。この曲は、「おとどけカレシ」の主題歌。恋人派遣サービス会社から派遣されてくる男の子たちとの恋を描いたドラマCDです。仕事を頑張ってるけど、なぜか彼氏はできない。そんな女の子がレンタル彼氏を頼んだところからストーリーが始まります。レンタル彼氏だから恋をしちゃいけない決まりがあるんだけど、人を好きになるのって理屈じゃないですよね。歌詞の中ではピュアなまま大人になった女子が、ずっと彼の事を意識しているイメージなので、全体的にキラキラしたポップチューンに仕上げました。 私の中であまりやったことのないキャラ設定だったので、入り込むのが難しかったです。強い女性とは違うし、でも、か弱すぎると自分のイメージと違うし……って。そのあたりのさじ加減は、レコーディングの時に苦労しました。
大人の恋愛って、結構ハードルが高いと思うんですよね。今自分に好きな人ができたとして、現状の生活や相手の立場を考えてしまって、学生の時みたいに簡単に告白なんてできない。誰だって年齢を重ねるごとに、ストレートに表現するのが難しくなると思います。人間の本質は変わらないと思うけど、表現の仕方が変わってきちゃうのかな。 ……というのを考えていると、私って大人になったんだなぁって。それが楽しくもあります。
今回のアルバムの収録曲は、現実的なものが多いんじゃないかな。リスナーのみんなが入り込みやすいものを贈りたかったんです。自分が生きてるところにリンクする作品をたくさん入れられたかなと思います。
「Theatrium」は謎に満ちた世界で恋に落ちるという物語の女性向けシチュエーションCDの主題歌。タイアップ曲で歌詞を書いたのは初めてでした。どうしたら作品の世界観を落とし込めるか、伝わらなかったらどうしようって、かなり迷いながら書いてました。ファンタジックで非現実的な雰囲気が出せてればいいですね。 ダークな雰囲気の「RUN-LIMIT」は、キャラクターCD「RUNLIMIT」の主題歌。限りのある時間の中で、主人公と恋に落ちるんです。ロックなアツいナンバーなので、歌っていて気持ちがいいですね。命をかけてまで守られたら好きになっちゃいますよね。
この曲、私のことを表現してるんですよ。私が今いる世界を、サバンナと箱庭に見立てているんです。私の活動を初期から見守ってくれている、なるけさんに書いてもらいました。 詳細を聞くまでは、自分を表した曲だとは思いませんでした。でも、よく聞いてみると、確かに私の今までとこれからを歌った曲で。 「わたしが戦い続けていた サバンナは小さな箱庭」という部分では、苦しんでたことを思い出したり、今挑んでいることに結びついたり。色々と思う所がありました。私が今戦っているこの場所は、まだまだ小さな世界なんです。
自分でも最初気付かなかったくらい深い(笑)。わかる人にだけわかってもらえれば、それでいいんです。 自分の音楽人生をすごく長い目で見ているので、まだ始まったばかりだなと思っています。この先、どんな世界が待っているか全然わからないけど、どんな場所でも私は戦っていくと思います。その中でもがき苦しむこともあるかもしれません。でも、乗り越えた後に振り返ってみると、「なんだ、まだまだじゃん」と思うんじゃないかな。私の場合は歌だけど、やり続ける事って、実はすごく大変なこと。これから先、ずっと歌っていくために、箱庭の大きさはわからないけど、ずっと一緒に歩んでいくんだろうなって思います。これからもっと、大きな世界に羽ばたいていきたいと思います。
新しいものを産んでいかなきゃいけないですよね。そのためには、ライブをいっぱいやっていきたいんです。ライブでお客さんからもらった想いから、「Give it to you」も産まれましたし。直近では、2017年10月6日に「Gift」と題したライブをやります。その前にもリリースイベントを各地でやるので、また直にファンの皆様と触れ合うのが楽しみです。
――ありがとうございました! 通常のライブよりも密接にファンの方と触れ合えるリリースイベントを楽しみにしているという織田さん。まだ見ぬサバンナに向けて、今後も大きく羽ばたいていく姿を楽しみにしています!
織田かおり4th アルバム「Gift」リリースイベント決定!
「織田かおり 11th SOLO LIVE “Gift”」