西沢はぐみさん(以下西):私はPCゲーム『大図書館の羊飼い』で主題歌を歌わせていただいたのが始まりでした。その後の『大図書館の羊飼い-Dreaming Sheep-』では、中恵光城さんがOPとEDを担当されて、私がグランドエンディングを歌ったんです。今回のアニメもまた、中恵さんと二人揃って主題歌を歌えたのが嬉しくて嬉しくて……。
中恵光城さん(以下中):PCゲームの主題歌からアニメの主題歌も継続して歌えることって、実は少ないんです。だからすごく嬉しかった。私でいいの!?って驚いちゃいました。
西:うんうん。私もアニメは別の方が担当されると思っていたので、びっくりしました。こんな言い方はおかしいかもしれないけど、作品に対しては母親のような気持ちでいます。最初のタイトルから作品に関わるごとに愛着が湧いて、もう母の気持ちにまで想いが募っています。
中:私は同じオーガスト作品のPCゲーム『夜明け前より瑠璃色な-Moonlight Cradle-』という作品のEDで「Marginality」という曲で商業デビューしました。そこから2013年に行われた「トラベリング・オーガスト」っていうオーガスト作品のコンサートを経て『大図書館の羊飼い』に関わることになったんですね。でもデビューした頃はアニメ主題歌を自分が歌えるとは想像していなくて、めちゃくちゃ嬉しいし感動しました。
西:ね、感動したよね。私も初アニメ主題歌なので、自分自身の新しい第一歩を噛みしめているところです。
中:そうだね。温めてきた気持ちとか、キャラクターへの愛情とか、いろんな想いが溢れて止まらないよね。
中:うーん、つぐみちゃんとお友達になりたい!
西:私は筧君になりたい!(笑)
中:筧君になったら修羅場になっちゃって大変だよ〜。
西:そっか、確かに。
中:つぐみちゃんとはお友達になりたいんですけど、ゲームをプレイしていた時は小太刀凪ちゃんがすごく好きでした。本当は筧君のことが好きでたまらないのに素直になれない、彼女のツンデレな駆け引きに惹かれます。でも一途じゃなくて申し訳ないんですけど、アニメを見ていると会長(望月真帆)がの可愛さにどぎまぎしてくるんです。本当にもうどうしようってくらいクラっときますね。
西:一番長く筧君のこと思ってるもんね〜。
中:そう。あんなに筧君のことを一途に想っているのに中々輪に入り込めない切なさと、それでも筧君が好きっていう健気さが可愛すぎます!完璧だからこそ弱みを見せられないっていう彼女の姿勢と、だけど隠しきれない筧君への想いがもうたまらない。可愛さに溢れています。
西:私は、ゲームをプレイしていた時はずっと玉藻ちゃん(桜庭玉藻)一筋でした。アニメの彼女のシーンで「べベン」って効果音が入るんですけど、それがかっこよくてたまらないです。でもアニメになってキャラクターがみんな動いているのを見ると、またゲームとは違う発見がありますよね。つぐみちゃんは私が考えていた以上に表情がぴょこぴょこ動くので、そこにもう惚れちゃいました!
中:確かにゲームのつぐみちゃんはほんわかした感じだけど、アニメではすごい喜怒哀楽がはっきりしてるよね。
西:OPもそうだけど、EDのつぐみちゃんがすごく可愛いです。つぐみちゃんの笑顔に毎週癒されているんですよ。
中:そういう意味ではゲームでは見えなかった部分がアニメ化されて見えるようになって、世界観が広がったなと思います。
中:ファンですね。愛してます。
西:この作品自体が愛に溢れてるんだよね。
中:みんな様々に悩んでいること・不安なことがあるけれど、みんなで前に一歩踏み出そうって気持ちが強い作品ですよね。
西:そういう前向きでキラキラした気持ちが曲にも入っているので、私たちも歌っていてすごく元気になります。ライブで歌うと、泣いてくださる方もいるんです。私たちも歌いながら泣きそうになります。そういう部分とか、すごく素敵な作品だなと思いますね。関わらせていただけて本当に嬉しい。
中:何かやりたいことがあるけれど、不安で前に進めないって場面で背中をそっと押してくれるような曲ですね。
西:ED曲「青空とグリーンベルト」もそうですね。すごく温かいんです。過去にはいろいろなことがあったけどそれを乗り越えて新しい人たちに未来を繋げていく、繋がっていける前向きな曲ですね。どこか切ないんですけど前向きになれます。
中:OP曲「On my Sheep」が始まりの一歩だったら、「青空とグリーンベルト」はこれから先の未来へ向けたイメージです。聞いていると卒業式に出席しているような、特別な気持ちになりますね。
西:そうなの!だから私、卒業式に「青空とグリーンベルト」を歌うべきだと思ってるの!
中:私は最初茫然としてしまいました!自分の声が流れている中で、これ誰が歌ってるんだっけ……?ってしばらく考えちゃいました。
西:まだいいじゃんみっきーは!私なんて衝撃のあまりお茶吹き出しちゃったよ。自宅で一人、ニコニコ動画で見ていたんですけど、もう大変でした。(笑)
中:お茶吹いたの!?(笑)私はテレビのある居酒屋で友だちみんなと見たんです。お祝いしようと思って。でも私は実際に自分の目で見ても最初はあまり自分がアニメの主題化を歌っているっていう実感が湧かなかったです。いろいろな方から「アニメ見たよ〜」って言っていただいて、初めて『大図書館の羊飼い』のアニメで主題歌を歌ったんだって実感しました。
西:また曲と映像がすごくマッチしているので、初めて見た時は本当に感動しましたね。嬉しかった!
中:そうなの!自分の歌にアニメーションがぴったり合っていて、嬉しかったの一言に尽きます。
西:毎回EDに入る演出が違うんで、ドキドキわくわくしながら見ています。主題歌を歌うときの私の理想は、その作品の一部になることなんです。映像と歌と作品が一緒になる瞬間がすごく好きで、初めてキャラクターが喋っているところに自分の歌が流れた時なんてもう、世界が交わると言えばいいんでしょうか…。一緒になってるところに感無量です!
中:わかるな〜。私はその作品が伝えたいことだったり、曲や歌詞の中にメッセージとして含まれている感情を一番大切にしています。「On my Sheep」を受け取った時、初めはつぐみちゃんの気持ちが大きいのかなと思ったんです。でもフルで聞くとつぐみちゃんも全体の一部であって、もっと大きなイメージで包み込むような曲だったんですね。だから私の届けられる精一杯の愛情を、図書部みんなに込めて歌わせていただきました。
西:初めて会ったのは「M3(エムスリー)」(音楽や映像など様々なメディアを専門とする、音で何かを表現しようとする人向けの同人即売会)ですね。私は年に2回毎年出ているんですけど何回か前に一度だけM3の会場でお会いしたんです。でもそのときは中恵さんがオーガストの作品を歌ってらっしゃることを知らなくて、ご挨拶だけさせていただきました。ちゃんとお話したのは「トラベリング・オーガスト」の時です。楽屋が一緒になって、席も隣になったんです。隣にすごく可愛い子がいるので、誰だろう見たことあるなって思っていたら中恵さんだったんです!
中:私は一方的にはぐみんの名前は知っていて歌も聴いていたので、「トラベリング・オーガスト」の時にいっぱい話すことができてすごく嬉しかったです。ボーカリストって基本一人の仕事なので、他のボーカリストの方とがっつり一緒になることってなかなかないんですね。同じオーガストの作品で歌を歌っていてもちゃんと話したことがないって人ばかりだったので、コンサートを開いていただいたことで始めてちゃんと交流ができました。そういう意味で「トラベリング・オーガスト」はとても貴重な場でした。
西:初めてちゃんと「オーガストファミリー」になることができたんです。
西:これは同じくオーガストファミリーのCeuiさんに言われたんです。(笑)
中:その後、はぐみんのワンマンライブに招待してもらいました。
西:それは私が言わねばね!(笑)私のワンマンライブ「肉にくhugmeet」っていう2014年2月9日の「にくの日」にやったライブに中恵さんとCeuiさんに来ていただいて、オーガストコーナーを設けて三人で歌ったんです。
中:ファンの方にはすごく盛り上がっていただいて、その後ご飯も一緒に食べに行きました!
西:『大図書館の羊飼い』のすごいところは、作品に関わっている人がみんな家族になるところですね。輪になって繋がる感じです。